ニコラ ジョリー|House of Otium

ニコラ ジョリー

ニコラ ジョリー

Clos de la Coulée de Serrant クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン フランス、ロワール地方。フランスの庭園と呼ばれる風光明媚なワイン産地。その中で辛口白ワインを造る代表的な産地がサヴニエール地区。クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セランがあるところです。クロが付くのは昔々、修道院が所有していた証。1130年にシトー派修道院が開墾した7haの葡萄畑。現在ではこの単一畑が1つのAOCを名乗る希少な存在です。当主ニコラ・ジョリーは気難しく孤高の人。1962年パリで医師をしていた彼の父が畑を購入。母が運営を担当。1976年からは将来を嘱望されたエリート金融マンだったニコラが天啓を受けたように継承。当初、化学薬品や農薬を使用し、畑を荒廃させました。1981年にオーストリアの社会哲学者ルドルフ・シュタイナーのビオディナミ農法の本に出会い、早速、実行に移す。フランスで初めてビオディナミ農法を取り入れた人物であり、先駆者ともなりました。農薬や化学薬品を一切使用せず、天体の運行に合わせて自然物質で作る調合剤(プレパラシオン)を用いて自然の潜在能力を引き出す農法。賛否両論がありますが、ブルゴーニュのマダム・ルロワさえも1987年に彼の畑に入った途端、ビオディナミ農法を理解して、今に至っています。コント・ラフォン、DRC、ドメーヌ・ルフレーヴ、シャプティエ、など錚々たる造り手が信奉し、素晴らしいワインを造り出しています。2001年にはビオディナミの団体「Return to Terroir」も発足。ビオディナミの伝道師は健在です。フランス五大白ワインにも数えられ、ワインは抜栓して1週間経ても味が変わりません。桁外れのミネラリティと余韻の複雑さ。濃縮度と力強さでは他の追随を許しません。ロワール川を見下ろす南東向きの斜面にあるクーレ・ド・セランには夕方になっても燦々と陽が照り、40年以上のシュナン・ブラン種は貴腐菌が付くまで完熟を待ちます。

最終更新日: