フィジャック|House of Otium

フィジャック

シャトーフィジャック

シャトー・フィジャックは、シャトー・シュヴァル・ブランとともにサンテミリオン地区を代表するシャトーの一つで、なんと2世紀にまで遡る長い歴史を誇ります。驚くことに、現在シュヴァル・ブランの畑となっている土地も、かつてはフィジャックの畑だったという、素晴らしいテロワールを備えたこの地区における最古のシャトーの一つです。現在の畑面積は約40ha。サンテミリオンの1級シャトー13のうち、丘の台地にある11シャトーの土壌は、粘土石灰岩であるのに対して、シャトー・フィジャックは、シャトー・シュヴァル・ブランと共に、サンテミリオンの他のシャトーとは離れたポムロールに近い場所に位置し、鉄分豊かな砂利を備えた土壌のため、古くからワイン作りに適した土地として知られていました。そのため、右岸地区では珍しくカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランが35%と多く、メルローは30%の割合で栽培されています。 シャトーの40haの畑はその特徴により3つの区画に分けられ、栽培品種もそれぞれ異なっています。Les Moulins(風車)と呼ばれる、かつて風車小屋があった場所には、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン、粘土が多く砂利層が薄い場所はLes Terrasse(テラス)と呼ばれカベルネ・ソーヴィニョンとメルローを、L'Enfer(地獄)と呼ばれるのは、砂利層が一番厚く日光の熱を多く蓄え放射するため、夏には地獄のように暑くなる場所で、ここにはカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニョンが栽培されています。また、畑の周囲は林に囲まれており、強い風や風が運ぶウィルスからブドウを守る役割をしています。 砂利質の土壌と相性のいい、メドックの主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンを多く栽培していることから、シャトー・フィジャックのワインは深い色味と力強い味わいが特徴です。ミシェル・ローランを起用したことで、クラシックなスタイルを失うことを心配した愛好家は多かったのですが、その心配は杞憂に終わり、これまでのスタイルがより良く洗練され、しっかりとした骨格にエレガンスをまとったワインへと進化しています。これはミシェル・ローランの高い技術によるところが大きいでしょう。
最終更新日: