シャトー パルメ|House of Otium

シャトー パルメ

シャトー ・パルメ

メドック格付け第3級で、マルゴーアペラシオンの中で、格付け第1級のシャトー・マルゴーに匹敵するのがこのシャトー・パルメです。シャトー・パルメは17世紀初頭に始まったとされています。18世紀には「シャトー・ド・ガスク」の名前で貴族に親しまれていたワインでした。「パルメ」と名前が変更されたのは1814年で、イギリス将官のチャールズ・パーマーが初代オーナーとなり、パーマーのフランス語表記が「パルメ」であり、将官は自らの名前を付けたのです。 パーマーはシャトー・パルメの名を世の中に広げるために注力し、イギリスの社交界に自らのワインを売り込んでいきます。ワインの品質を高めるための改革にも多額の投資を行いましたが、経済的な行き詰まりから破産をしてしまいました。その結果、シャトーは銀行の管理下に置かれ、そのような背景もあって1855年のメドック格付けで3級に甘んじてしまいましたが、それ以前は1級のシャトーと肩を並べる評価を受けていたのです。 また、長い歴史の中でパルメが名声を維持し続けることができたのは、醸造家の力も大きかったと言われています。1937年から共同所有を始めたシシエル家とメラー・ベッス家の大規模投資によって、醸造・熟成の設備も生まれ変わり、品質が格段に向上しました。ワイン造りで重要な要素として、土壌・ぶどう樹・気候に加えて「人」もあり、パルメは人の力にも恵まれたワインと言えます。 ワイン造りの特徴としては、他のシャトーに比べてメルロの比率が高いことで、これがマルゴーらしい香り高さや華やかさの他に、ポムロールのような豊かさや肉付きの良さを与えています。決して、樽香が強く出過ぎることがないパルメは、最初の数年は控えめな印象ですが、次第に洗練というよりも心が安まる穏やかなブーケを育み始めます。その柔らかさが、気高いシャトー・マルゴーとも最も異なる点でしょう。 手摘みのぶどうは、醸造所に届くとすぐに畑の区画と品種ごとに慎重に分類されます。約54もの円錐型発酵槽で発酵を行い、その後フレンチオークで約20~22ヵ月間熟成を行います。 外観は深みあるガーネットパープル。メルローからもたらされる華やかな果実の香りとマルゴーらしい豊満なボディにエレガントな味わいで、熟成が進むにつれてタンニンがシルキーかつ柔らかく変化し、アロマもより一層華やかになることでしょう。マルゴーの複雑性と個性も備えているシャトーパルメは、独特の香り高いブーケと複雑で妖艶なアロマ、そして滑らかなテクスチゃーを持ち、飲む者を魅了して止みません。
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