ヘイマン・レーヴェンシュタイン|House of Otium

ヘイマン・レーヴェンシュタイン

ヘイマン・レーヴェンシュタイン

甘口リースリングが流行した時代にもテロワールの表現にこだわり辛口を造り続けた「奇才」。160日もの長い成育期間にゆっくりと熟したブドウから生まれる黄金色のワインは世界的に評価され、モーゼルのトップ生産者として確固たる地位を確立しています。 リースリングの世界的な産地として名高いモーゼル地方。冷涼であるにも関わらず偉大なワインを生み出し続けているのは、ブドウの生育に最適な3つの条件を備えているからです。1つ目はモーゼル川からの反射により、より多くの太陽熱が得られること。2つ目は蓄熱・放熱に優れるスレート(粘板岩)の 特性によって畑が暖かく保たれること。そして、3つ目は世界一と言われる程の急斜面のため、より強い太陽熱を受けること。こうした条件のおかげで畑はより暖かく保たれ、ブドウはしっかりと成熟することが可能になります。さらに注目すべきなのは、斜面の向きとスレートの多様性です。モーゼルでは蛇行する川沿いに畑があるため、同じエリアの畑でも斜面の向きが一様でなく、当然場所によって日照量が変わってきます。また、それぞれの畑に見られるスレートのタイプも複数あるため、一口にモーゼルと言っても畑ごとに多種多様なテロワールが存在しているのです。こうした中で、一流の生産者たちは畑の地理的な条件×スレートのタイプによって畑をいくつもの小区画に分けることでテロワールの表現を追求しています。 レーヴェンシュタインもその一つで、畑の土壌は7種類もの異なるスレートによって構成されており、このスレートの構成により区画を分割しています。中でも急斜面の段々畑で有名なウィニンガ?・ウーレンの畑からは世界中の愛好家が熱狂するリースリングを生み出し続け、密度の濃いブドウから黄金色に輝くワインが生まれており、非常に濃く豊かで力強いスタイルに仕上がっています。 また、ドイツのワイン法では糖度によって等級付けがされているため、糖度の高い甘いブドウが注目されがちですが、ヘイマン・レーヴェンシュタインは「甘いブドウではなく芳香性の高いブドウ」を追求しています。これは温暖地域の高い気温によって熟したブドウではなく、モーゼルのような涼しい夏の下でゆっくりと成熟することで初めて得られるもので、通常開花から100日前後でブドウを収穫するところ、 最大160日まで引き伸ばすことで芳香成分とスレートに由来するフィネスを蓄積させています。収穫は11月に行われますが、ブドウはどれも通常よりも激しい昼夜の気温差を経験しているため、アロマのポテンシャルを最大限に発揮した驚くほど芳香性の高いブドウが生まれるのです。
最終更新日: