イングルヌック
イングルヌック
ナパ随一の長い歴史を持つイングルヌック。ジェームス・サックリング氏が選ぶ「20世紀で最も偉大な12本のワイン」に選出されるなど、世界的評価を獲得するアメリカのワイナリーの先駆者です。苦難の時代もありましたが、映画監督フランシス・フォード・コッポラ氏がワイナリーを購入後、2011年に商標権を取り戻したことで名実共に完全復活。同年には醸造家フィリップ・バスコール氏を醸造責任者に迎え、現在はボルドーを彷彿とさせるエレガントなスタイルのワインを生み出しワインラヴァーを魅了し続けています。 カリフォルニアワインの歴史そのものとも称される伝説的なワイナリー、イングルヌックの歴史は1879年まで遡ります。始まりは航路を探索、開拓する船の船長を務めていたイングルヌックの創業者、グスタフ・ニーバム氏が「ヨーロッパのシャトーに匹敵する、アメリカのワイナリーを設立する」という夢を抱いたことでした。 ニーバム氏は、ワイナリーを設立するにふさわしい土地を求め、ナパ・ヴァレー、ラザフォードの西に位置し、スコットランドの言葉で「囲炉裏」を意味するイングルヌックと名付けられた土地に辿り着きます。その後、ヨーロッパから持ち込んだブドウの苗木で栽培を開始しました。1887年にはナパ・ヴァレーで初めてとなるグラビティ・フローを採用した運搬設備やカリフォルニア初のブドウ選別台、瓶詰めラインを完備した醸造設備を完成させます。イングルヌックは順調にそのワインの品質を向上させていき、1889年に行われたパリ万博で銀賞を受賞するまでに成長しました。こうして世界的評価を獲得するアメリカのワイナリーの先駆者となり、ニーバム氏は自身の夢を叶えることとなりました。1939年、ニーバム氏の大甥にあたるジョン・ダニエル・ジュニア氏の代になると、「利益ではなくプライドを」というスローガン掲げ、高い基準を設けた品質第一のワイン造りを行い続けています。