ガーギッチ・ヒルズ|House of Otium

ガーギッチ・ヒルズ

ガーギッチ・ヒルズ・エステート

1976 年に行われた「パリのティスティング」の結果を受けて、マイク・ガーギッチの名は世に知れ渡ります。フランスのトップクラスのワインとカリフォルニアワインのブラインドテイスティングが行われ、白ワインのトップに選ばれたのがカリフォルニア産の「1973年モンテレーナ・シャルドネ」でした。カリフォルニアワインが世界に認められるきっかけとなったこのワインを造ったその男こそが、マイク・ガーギッチだったのです。 その翌年、マイクはヒルズ・ブラザーズ・コーヒー(世界初となる真空包装法による焙煎コーヒーを始めたサンフランシスコ発の老舗メーカー)の創設者であるオースティン・ヒルズとパートナーを組み、ナパ・ヴァレーにガーギッチ・ヒルズ・セラーを設立します。1977 年の独立記念日のことでした。もともとヒルズ氏は経営のスペシャリストであり、ナパ・ヴァレーのラザフォードの一等地にいくつもの畑を所有していた為、ワイナリーの資金源としてはもとより、ビジネス面でも細かく指揮を取ることが可能でした。その一方でマイクは根っからの醸造家だったため、経営の事を気にせず最高品質のワインを造ることだけに専念することが出来たのです。息ぴったりの二人が生み出したリッチで複雑なシャルドネは、その後も世界各国の賞を受賞し、ワイン・ラヴァーの心を鷲掴みにする事となりました。ガーギッチ・ヒルズのワインは、安定した品質と長期熟成可能なワインとして知られるほか、アメリカのレーガン大統領やクリントン大統領、英国のエリザベス2 世女王などの晩餐会で愛飲されてきました。ただ、本当に嬉しいと思えることは、どこにでもあるようなごく普通の家庭の食卓にガーギッチ・ヒルズのワインが並び、記念日やお食事をよりいっそう思い出深いものにする瞬間なのだそうです。 ワイナリーは現在6 種類のワインを生産しており、どれも個性を生かしつつ一つ一つ丁寧に感性を込めて醸造されます。ですがやはり特別な思いを込めて造られるのは、シャルドネなのだとか。エレガントな香りと繊細な味わいが絶妙なバランスのワインに仕上がっています。その他、このシャルドネの兄弟的存在のフュメ・ブラン、リッチでスパイシーなジンファンデル、深みとコクを感じるカベルネ・ソーヴィニョン、どこかセクシーな印象のメルロ、そしてマイクの愛娘にちなんで名付けられた気品ある甘美な味わいのデザートワイン「ヴィオレッタ」を生産しています。 青色のベレー帽がトレードマークのマイクは90 歳を過ぎた今でも健在です。2008 年には、カリフォルニアのワイン産業に貢献した人物をたたえる「Vintners Hall of Fame 」の殿堂入りを果たしました。ガーギッチ・ヒルズは現在、マイクの愛娘と甥が舵取りをしており、決して過去の栄光に溺れる事なく、毎年ワインの品質向上に力を入れています。ブドウを持続的に生産し続けることはガーギッチ・ヒルズで最も重要な事として捉えられています。そのため環境にやさしい農業を実践することが、健康的で豊かなブドウ畑を維持ための長期的でしかも現実的な唯一な方法だと信じているため、自社畑では有機栽培を実践し、化学肥料や殺虫剤、除草剤等は一切使用せずに、天然酵母だけを用いてワインを醸造しています。マイクの口癖である「畑から皆さんのグラスに直送の自家製ワイン!」という一言を確実に実行し、お食事と合わせやすく繊細で上品なワインを造ることを何よりも大切に心がけています。 2003 年以降、ガーギッチ・ヒルズのすべてのワインのラベルに「エステート・グロウン」と記載していますたが、これは自社畑のブドウ100%からワインを造ったことを証明しているものです。2006 年にはワイナリーが完全に太陽光発電に移行したため、これらを記念して2007 年にワイナリー名をガーギッチ・ヒルズ・エステートに改名しました。
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