バンフィ|House of Otium

バンフィ

バンフィ

バンフィは1978年に、イタリア系アメリカ人、ジョンとハリー・マリアーニ兄弟によって設立されたワイナリーです。トスカーナ州の南部に位置する、シエナ県モンタルチーノ市は、サンジョヴェーゼから造られるD.O.C.G.赤ワインである、“ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ”の産地として世界的に有名な地域です。今でこそ世界中で名声を高めているブルネッロ・ディ・モンタルチーノですが、当時のモンタルチーノはワイン産地というより、神話的名声を持つビオンディ・サンティが、ワインを造っている地でしかありませんでした。そんな状況を激変させたのがこちらのワイナリー、バンフィです。バンフィはこのモンタルチーノに、約800ヘクタールのブドウ畑を含む広大な土地を所有し、創立以来土壌の分析、ブドウ栽培法の研究、土着品種であるサンジョヴェーゼのクローン研究、樽材や醸造法の研究を行ってきました。 フラッグシップである、“ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ”などを生み出す伝統的なブドウ品種のみならず、カベルネ・ソーヴィニョン種などの国際品種も手がけ、世界中に優れたワインを輸出するビック・カンパニーとして名実ともに成功を収めています。 バンフィは創業以来高品質にこだわり、革新的な研究開発を続けてきました。その際たる例が、サンジョヴェーゼクローンの研究です。モンタルチーノの伝統において最も重要なサンジョヴェーゼですが、その亜種は数多く存在し、バンフィの自社畑とその周辺には数百種以上のサンジョヴェーゼクローンが存在していることが判明しました。サンジョヴェーゼは、フランスの主要品種と比べて、かなり亜種が多いブドウ品種の一つであり、土壌・気候に大きく影響を受ける繊細な品種であることもわかりました。そのため、実に30年以上もの月日を費やして自社畑のテロワールに最適なクローンの研究を行い、それらの中から3種類の選別に成功。この研究の成果を具現化したのが、『“ポッジョ・アッレ・ムーラ”ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』です。各クローンがもたらす特徴・個性を組み合わせることで、より一層の複雑さを与え、バランスを整えるという品質向上を目指しています。 また、クローン選別以外にも独自に研究を進めてきたのが、「ホライゾンシステム」という発酵槽の開発です。容器自体である発酵槽の表面のオーク材から得られる微量の酸素とタンニンがワインによい影響を与えるという点に着目し、オーク材の長所を活用しつつも、ステンレスタンク使用で利点とされる、プレス後の果皮や種の排除方法、温度管理、ルモンタージュなどをオーク製発酵槽でも実現すべく、実験を重ね、発酵槽の側面はオーク材、同槽の上下部面にはステンレスを導入して、側面から酸素とオークのタンニンを自然供給しながら、ステンレス部分で発酵中の温度管理、ルモンタージュを可能とする設備を10年かけて開発しました。 これが「ホライゾンシステム」です。オーク材とステンレスの双方のメリットを併せ持ったこの発酵槽が、同社のワイン品質の向上に繋がる要因の一つとなっています。その他にも、熟成において重要な役割を果たす木樽は、原料の買い付け、木材のカット方法の指定・乾燥工程をも自社で行い、理想的な木樽を追求。どの工程でも手間と労力を惜しまない同社ならではの管理を常に行っています。最新技術を取り入れながら、よりよい品質を追求していくという変わらない姿勢によって、世界でも評価される高いワイン品質を実現しています。
最終更新日: