コングスガード|House of Otium

コングスガード

コングスガード

カリフォルニア・シャルドネの五大生産者と称される5つのワイナリーの中でも特に生産量が少なく、カルト的人気を誇るコングスガード。その始まりはオーナーであるジョン・コングスガード氏が、若かりし日に目指したクラシック音楽家としての将来を断念し、当時到来していたワインブームの波に乗りワインメーカーとして生きることを決心したことがきっかけでした。 彼はカリフォルニア大学デイヴィス校へ入学後、名門ワイナリーである「ニュートン」に就職しました。1988年にはアメリカで初めてノンフィルター・ワインを造るなど、十分な技術を身に着けます。そしてもう一つの転機が、カリフォルニア・ワイン界の重鎮であるアンドレ・チェリチェフ氏の助言です。彼はコングスガード家が所有していたナパ・ヴァレー、クームスヴィルのアルタ・ハイツ山頂にある土地が素晴らしいテロワールを備えていることを見出したのです。 コングスガード氏はそのアドバイスを受けて土地を開墾。20年以上にわたりナパの高等裁判所の判事であったジョン・コングスガード氏の父に敬意を表して「ザ・ジャッジ」と名付けた畑から、「最上のシャルドネ」「まるでコシュ・デュリ」と至高の賛辞を贈られるシャルドネが生まれることになるのです。現在は息子のアレックス氏とともに、格調高いワイン造りを行っています。 コングスガードで使用されるブドウは、ザ・ジャッジとアトラス・ピークの畑以外は契約畑から収穫されますが、契約畑のブドウにも徹底的にこだわるのがコングスガードの流儀。収穫したブドウに値を付けることが普通であった当時から面積単位で契約を結び、優れたテロワールを持つ畑から超低収量でブドウを収穫します。その熱の入れようは、納得できるブドウができなければワインは造らないと公言するほど。 醸造方法も非常に独特で、リスクをいとわず徹底して信念を貫き通しています。その手法は、土着の野生酵母による発酵、低温セラーにおける長時間のマセラシオン、自発的マロラクティック発酵、澱下げのみのノン・フィルターでの瓶詰めなど多岐にわたります。しかも、これらをほぼ全て手作業で進めるというから驚きです。 その結果、完成するのは極少量。オートクチュールで造られるワインは、自然に委ねると言うより、もはやコングスガードというフィルターを介して造られると言っても過言ではなく、その揺るぎ無い姿勢こそがコングスガードたる所以なのです。ジョン氏はこれについて、「自然が提示する条件によって各畑、各品種には様々な個性が現れる。自然酵母はそれぞれの特徴を見事に表現しながらも、コングスガードらしいワインに仕上げてくれる。」と語っています。
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