ボノー・デュ・マルトレ|House of Otium

ボノー・デュ・マルトレ

ボノー・デュ・マルトレ

トランプのキングやクイーンにはモデルがあります。ハートのキングはカール大帝。これはドイツ語読みでフランス語読みではシャルルマーニュ。西ローマ帝国(後のドイツ、フランス、イタリア)の初代皇帝で、190cmを越す大男で白い顎髭が特徴的です。ドイツのワイン造りに非常に貢献しましたが、もちろんフランスでも名を残しています。彼が775年に教会にアロース・コルトンにある領地をソーリューのサン・タンドロシュ教会に寄進しました。もちろん、彼のお気に入りの畑で、その畑を後年所有した造り手がこのボノー・デュ・マルトレです。ペルナン・ベルジュレス村とアロース・コルトン村にまたがる特級畑「コルトン・シャルルマーニュ」。合計34.21haの内11haを所有し、その心臓部であるアン・シャルルマーニュとル・シャルルマーニュの畑です。特級畑しか造らないドメーヌとして「ロマネ・コンティ」を所有するDRCと並び称され、一目置かれていた造り手です。2004年からは究極の有機栽培ビオディナミ農法に転換し、2011年からは100%ビオディナミ農法となりました。中庸の年でも芳醇で驚くほどの味わいの素晴らしいワインを造るとして定評があります。それが当主だったモリニエール伯爵の両親が1969年に引き継ぐまで全てネゴシアンに売っていたのですから驚きです。 その後1994年からモリニエール伯爵が当主となり、樹齢70年以上の古木から葡萄の収量や生産量もごく少なくして生産してきました。芳醇なシャルドネから造る「コルトン・シャルルマーニュ」の造り手として必ず筆頭に名前が挙がるのも当然です。 しかし2017年にカリフォルニアのスクリーミング・イークルのオーナーがドメーヌを買収しました。 「2018年からDRCが畑を借り受け、ワインを生産する。」と発表され大きな反響を呼びました。つまり、新しいボノー・デュ・マルトレの「コルトン・シャルルマーニュ」は二度と生産されないのです。
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