シャトー・モンローズ|House of Otium

シャトー・モンローズ

シャトー・モンローズ

フランス、ボルドー地方のシャトー名の多くは土地や建物、所有していた人の名前などが付けられます。その他はエピソード系でしょう。メドックの格付け第4級のシャトー・ベイシェヴェルはその典型です。そしてこの第2級格付けシャトー・モンローズにも由来があります。昔々、モンローズがある丘陵地にヒースの花(エリカとも言う野草。スコッチウイスキーの香りになる泥炭の原料)が美しいピンクのバラ色に生い茂り、ジロンド川を渡る船から「バラ色の山」に見えた事からの命名です。実はこれだけのエピソードでモンローズの立地がいかに凄いかも解ります。「最高の葡萄畑は川が見えるところにある」これはボルドー地方の自慢たらしい格言。川はもちろん大西洋に注ぐジロンド川です。上質なワインが出来る条件としてジロンド川の近くにある事。これは川が太陽の日照を昼夜、調節し葡萄を護ってくれます。そして船から見えるのは丘の上にある事。高い標高が気温を下げてくれます。 そして川が近いと水はけの良い砂利が多い土壌になるという事。 完璧な葡萄が出来る三つの条件です。シャトー名だけで最も優れた立地条件が浮かび上がります。1815年にカタツムリしかいないシャトー・カロン・セギュールの一部である荒れ地を買い取り、葡萄を植えて歴史が始まりました。1820年に醸造所が完成。開墾してたったの40年後にメドックの格付けの第2級としてランクインしています。テロワールの凄さが判ります。1級格付けシャトーの実力を越えるとして「スーパー・セカンド」の筆頭に挙がるシャトー・モンローズ。2006年からは携帯電話会社、テレコムの経営者ブイグ兄弟が所有。潤沢な資金を惜しみなく投入し、ますます磨きが掛かっています。
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