黒龍
黒龍
黒龍酒造は、曹洞宗大本山・永平寺のほど近く、福井県永平寺町にございます。かつて「黒龍」と呼ばれた九頭竜川の伏流水を仕込み水とし、その古い川の名を蔵の名として受け継いでいます。愛好家の間ではロマネ・コンティになぞらえられるほどの評価を得ている銘醸蔵です。1804年、石田屋二左衛門が本家より分家して創業し、現在は八代目蔵元・水野直人氏がその技を受け継いでいます。規模の拡大よりも、ひとつひとつの仕込みに手をかけることを選び、「良い酒を造れば、人は必ずついてくる」という家訓のもと、品質だけを判断基準として酒造りを続けてきました。硬水で仕込む酒によく見られるキレの良い辛口とは異なり、軟水ならではの繊細で幾重にも重なる味わいが特徴で、吟醸クラスの酒には奥深さとともに稀有な上品さが宿ります。2016年には、ワイン評論家ロバート・パーカーがわずか6,000円の純米大吟醸に92点という高評価をつけたことでも話題になりました。日本酒は多くの場合、ワインとは異なり熟成よりも新鮮なうちに飲むことを前提として造られているだけに、異例の評価といえます。純米大吟醸の最高峰には「石田屋」「二左衛門」「無二」があり、なかでも「無二」は数年に一度しかリリースされない希少な一本で、氷温(マイナス2度)で5年以上熟成させて造られます。2018年、日本酒業界として初めて入札制を導入したことでも大きな話題を呼びました。蔵元・水野直人氏がフランスやドイツのワイン産地を巡った経験は蔵づくりにも生かされ、現在は5つの異なる温度帯で仕込みを管理しています。黒龍と並ぶもうひとつの看板銘柄として「九頭龍」も手がけています。