オーパス・ワン

オーパスワン
1976年「パリ・テイステイング」で世界のワイン関係者が驚愕しました。カリフォルニア・ワインが伝統あるフランスワインのライバルになった瞬間です。フランスの第一級格付けシャトー・ムートン・ロートシルト。1855年、メドックの格付けで2級でしたが、118年を経た1973年に唯一、昇格を果たした不屈のシャトー。当主が故フィリップ男爵。彼が才能と将来性に目をつけたのが故ロバート・モンダヴィでした。彼の父親はイタリアのマルケ州からの集団移民の一人。素晴らしいワインを造る事を夢見たロバート少年は、近代カリフォルニア・ワインの父と呼ばれるようになりました。伝統のあるフランスと革新的な技術のアメリカ。両方のアイディアが詰まった最高品質のダブルネーム。それが「オーパスワン」。1984年に1979年と1980年がリリースされました。アメリカ初のウルトラ・プレミアム・ワインが誕生したのです。ワイン名決定は難航し、「アライアンス」「デュオ」「デュエット」「ヤヌス」など候補が複数ありましたが、ラテン語で作品番号を意味する「オーパスワン」に決定。その後、2001年フランス進出の失敗から事業戦略を巡ってモンダヴィの父子間に確執が生まれ、2004年にはロバート・モンダヴィのファミリー企業はアルコール飲料で世界トップのコンステレーション・ブランズが買収。しかし二人が造り上げた芸術的なワインは今も進歩し続け、世界の垂涎の的となっているワインを造り続けています。