フォントディ

フォントディ
サンジョベーゼを信じている 品質向上の著しいトスカーナ州キアンティ地区で、不動の評価を得ているのがフォントディだ。 サンジョヴェーゼ100%で造られるフラッグシップのフラッチャネッロ・デッラ・ピエヴィは、ワイン・スペクテイター誌のトップ10に3度も選ばれた。ワイン・アドヴォケイトからは、2010年と2006年が97点を獲得している。 設立は1968年。歴史の深い生産者の多いトスカーナで、短期間でトップに躍り出たのは、当主ジョヴァンニ・マネッティのサンジョヴェーゼにかける情熱と愛情があればこそ。「サンジョヴェーゼはトスカーナでしか成功しない。サンジョヴェーゼを信じ、育てるのが我々の義務なんだ」と信念を語る。 早くから有機栽培 フレンチオークの導入 ボルドーやカリフォルニアを旅して学び、名エノロゴのフランコ・ベルナベイと共に、畑造りから始めた。1990年という早い時期にオーガニック栽培を始め、区画ごとに醸造し、熟成にフレンチバリックの新樽を導入した。ベルナベイは「ミスターサンジョヴェーゼ」と呼ばれるスペシャリスト。多くの優れたワインを手掛けている。 テロワールにも恵まれていた。ワイナリーがあるのは、キアンティ・クラシッコのパンツァーノ・イン・キアンティ地区。丘陵地帯にコンカドーロ(黄金の盆地)と呼ばれる美しい畑が広がる。標高が高く、昼夜の気温差が大きいため、ぶどうに酸が乗る。完熟を待って手摘みする。完熟したぶどうはフレンチオークと溶け合う。 ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)、シラーもいいが、マネッティが作るサンジョヴェーゼは常に素晴らしい。キアンティ・クラシッコですら、並の生産者のトップキュヴェをしのぐ。サンジョヴェーゼ100%のヴィーニャ・デル・ソルボは単一畑の個性を表現する。 フラッチャネッロ・デッラ・ピエヴェは最良の区画を選んでいる。ラベルの十字架は人間と土地の関係を象徴している。サンジョヴェーゼの到達点を示す傑作だ。