シャトー・コス・デストゥルネル

シャトーコス デストゥルネル
1855年に制定された「メドックの格付け」。現代でもワインを選ぶ指標として権威を持っています。シャトーはお城の意味ですが、ボルドー地方では自社の葡萄畑を持ち、瓶詰まで一貫生産するところを指します。貴族の末裔が多く、壮大なシャトーを見比べるのもボルドー地方での楽しみの1つです。その中で異彩を放つシャトーが第2級格付けのコス・デストゥルネルです。シャトーの外観は異国情緒に溢れたパゴダ(仏塔)風。庭には大きな象の置物が鎮座します。樽貯蔵庫の奥にも象が希少なボトルを護っています。これは19世紀の初めに創立したルイ・ガスパール・デストゥルネル氏がインド航路を開拓し、ワインの輸出を行っていた為です。インドへの憧憬が詰まった城館なのです。2000年にスイスの食料品会社社長のミシェル・レイビエがオーナーとなりましたが、創立者の想いはそのままに最先端の設備を導入。もとの邸宅「マハラジャ・デ・サンテステフ」はホテルとして生まれ変わりました。メドック地区の最も北にあるサンテステフ村。その中でもコスの立地は小川を挟み、ポイヤック村にある第1級シャトーのラフィット・ロートシルトを見下ろす丘の上にある最高のロケーション。丘の上部はカベルネ・ソーヴィニヨンに最適な砂利質。コスの名前はガスコーニュ地方の古語「砂利の丘」の意味です。そして、丘の下部はメルローに向く粘土質。ボルドー・ブレンドの二大品種にピッタリな土壌が上手く組み合わされているのです。色も香りも濃く、黒系果実の凝縮感があり、しかもしなやか。 かつて、フランス皇帝ナポレオン3世や大英帝国ヴィクトリア女王、ロシア皇帝の食卓に供されました。一国一城の主が楽しむのに相応しいワインです。