ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド
メドックの格付けシャトーの中で最も長い名前がここピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド。第1級の4シャトーの内、3つを輩出する輝かしいポイヤック村産で、このシャトーは第2級に制定されています。ポイヤック村の特徴と言えば力強い味わいと長命である事。現代の風潮にはそぐわないですが、男性的と呼ばれています。その中でこのシャトーは正反対に華やかで女性的と呼ばれ「ポイヤックの貴夫人」と言える存在です。それもその筈、コンテスは伯爵夫人の意味。ボルドー地方には貴族がワインを造らせていた名残りで、シャトー名にも爵位が多く入っています。ラベルに王冠が描かれたものが多く、これも爵位があった事を現わしています。もともとシャトー・ピション・バロンとは同じ1つのシャトーでした。1850年にジョセフ男爵(バロン)が亡くなった後、5人の子供にシャトーが相続され、2人の息子と3人の娘に等分されました。前者はピション・バロンとなり、後者は後に末娘が全ての相続を手に入れ、ラランド伯爵(コント)と結婚した事から伯爵夫人(コンテス)となりました。先祖がピションさんと結婚していたので全てを繋いで現在のシャトー名となりました。現在はルイ・ロデレール社のオーナー、ルゾー家が所有。超高級シャンパン「クリスタル」を造り、世界一のシャンパン・メーカーと定評のある造り手です。それまで1978年から80年後半にかけて名物マダムであるランクサン夫人が精力的に投資や世界中と交流を行い、急激に品質を向上させました。眺めの良いテイスティング・ルームからはシャトー・ラトゥールの畑と塔も見渡せる場所。経営者は変わってもしなやかな味わいは変わる事はなく、とても人気のあるシャトーです。