シャトー・レオヴィル・バルトン

シャトー・レオヴィル・バルトン
1855年、パリで開催された万国博覧会でボルドーワインを出展する為、上質なワインを造り出すシャトーを1級から5級に分けて順列を付けました。これが現在でも「メドックの格付け」と呼ばれ、ワインを選ぶ1つの目安にもなっています。順列は当時の取引価格や評価を考慮したものでした。全部で61シャトーありますが、シャトーの次に同じ名前が並ぶものがあります。特に第2級格付けには3組ありますが、その中の1つがシャトー・レオヴィル・バルトン。第2級格付けですが、1級にも匹敵するとされ、スーパー・セカンドとも呼ばれます。レオヴィルと付くシャトーが3つあります。もともとはラス・カーズ侯爵が所有する1つの大きなシャトーでした。1794年に彼が亡命すると分割され、競売に掛けられました。それを1722年にボルドーに辿り着いたカトリック系アイルランド人のバルトン家が1826年に購入しました。初代当主トーマス・バルトンは有名なワイン商のバルトン・エ・ゲスティエの創設者でした。(現在は所有を離れています) シャトー・レオヴィル・バルトン購入から遡ること、5年前の1821年。第3級格付けのシャトー・ランゴアも購入してシャトー・ランゴア・バルトンに。2世紀にも及ぶ古い歴史あるシャトーを所有し続けているバルトン家はボルドーでも最長となる同一家族所有の歴史でもあります。 実は2級のレオヴィル・バルトンには城館も醸造所もセラーもなく、ラベルに描かれているシャトーはランゴアにある城館。どちらも力強さとエレガントさがハーモニーを奏でるサン・ジュリアン村の美点を余すところなく味わえます。しかし、レオヴィルが南向き斜面でランゴアより標高が高く、この差が2級と3級の分かれ目になっています。