テヌータ・ディ・トリノーロ|House of Otium

テヌータ・ディ・トリノーロ

テヌータ・ディ・トリノーロ

テヌータはワイン醸造所の意。トリノーロ醸造所があるのはトスカーナ州の内陸部シエナ県。トスカーナ州はイタリアワインの中で最も人気のある産地。キアンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどの赤ワインで有名です。しかし、トリノーロはそんな場所には見向きもしません。すぐ、南にはラツィオ州とウンブリア州が控え、西にはトスカーナ州の最高峰1718mのアミアータ山を臨むサルテアーノというあまり知られていない土地にあります。オーナーのアンドレア・フランケッティは「トスカーナは嫌い」だからです。ニューヨーク生まれでローマ育ち。「ローマは逃げ出したかった」と表面的な華麗さにも興味がありません。サルテアーノの祖父がワイン造りをしていた土地でシャトー・シュヴァル・ブランのようなワインを造りたいと壮大な夢を掲げました。石が多く粘土も硬く忘れ去られた土地を修道士のように多くの石を取り除く事から初めました。独学で最初に造ったワインをシャトー・ヴァランドローで有名なテュヌヴァン氏のところに持参しましたが「帰れ」と追い出され、心機一転して作り上げた1997年のテヌータ・ディ・トリノーロが大絶賛をされ、テュヌヴァン夫妻の販売網に乗り全世界に広まりました。コストと労力を惜しまないワイン造りがやっと受入られたのです。酵母は自社畑から培養。株密度を高くし、1本の樹からたったの5房しか収穫しない超低収穫。「トスカーナ嫌い」はイタリア品種を使わずカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルローとフランス品種だけ。品種構成は収穫年毎に大きく異なります。凝縮した味わいにサルテアーノの自然とフランケッティの哲学が詰め込まれています。無名の地から世界の頂点に立ったワイン。ラベルの白鳥はフランケッティ家の紋章です。
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