トリンバック

トリンバック
フランス、北東部に位置するアルザス地方。ライン川を挟んでフランスとドイツの国境に位置します。鉄鉱石や石炭を産出する為、戦争が起こる度に戦勝国の所有になりました。 1870年から71年の普仏戦争でドイツ領。第一次世界大戦でフランス領。第二次世界大戦初戦でドイツ。終戦でフランスに戻りました。ゼラニュームが窓辺に飾られたコロンバージュ(木骨組み)や高い屋根にはコウノトリが巣を作りお伽の国のようです。ボトルはドイツ風ですが、味わいは正真正銘の辛口のフランスワイン。哀しい歴史がある街ですが、ワイン文化はそれを乗り越え、どちらの国とも違ったアルザスのワインとして多くのファンを捉えています。アルザスの中心地はコルマール。北にはワイン村として有名なリクヴィールとリボヴィレがあります。リクヴィールの代表する造り手がヒューゲルならばリボヴィレはこのトリンバックです。その歴史は古く1626年に創業。1898年のブリッセル国際ワインフェアで8代目のフレデリック・エミールの造ったワインが金賞受賞。アルザスの「ロマネ・コンティ」とも呼ばれるリースリングを造り出す最高の畑「クロ・サン・チューン」1.3haを所有します。しかし現当主11代目ユベール・トリンバックはアルザス・グラン・クリュ(特級畑)の選考基準に疑問を持ち、ラベルはただのAOCワインとしています。トリンバックの特徴はミネラリーで繊細な味わいとエレガントな気品。本社の裏手斜面にあるグランクリュのオステルベルクや「クロ・サン・チューン」、その他の畑も白亜質泥灰土と石灰質という恵まれた土壌を誇ります。ワインのフレッシュさを保つ為、早めに瓶詰しますが、リリースするまでカーヴ(地下ワインセラー)で瓶熟させます。食事とともに楽しめるワインが信条。端麗なリースリング、華麗なゲヴュルツトラミネールを造り出します。