クリュッグ|House of Otium

クリュッグ

クリュッグ

メドックの格付けを命令したナポレオン3世の時代。フランスにも産業革命が起こり、人々は「ベルエポック」と呼ばれる華やかな暮らしをしていました。そんな時に必要な飲み物はやはり、シャンパン。シャンパーニュ地方は活況を呈し、それを見て国境近くのドイツの人々はシャンパーニュに移動し、シャンパンを作り始めました。その為、ドゥーツ、テタンジェなどドイツ名のシャンパン・メーカーが台頭しました。もちろんクリュッグもその1つです。1840年ヨハン・ヨゼフ・クリュッグによって設立。現在の6代目、オリヴィエ・クリュッグに至るまで設立者ヨハン・ヨゼフ原則に則ったシャンパン造りが継承されています。それは途方もない職人たちの手作業。大量の葡萄を一房ずつ選り分けてから搾り、ワインにするのは一番搾りの果汁だけ。一次発酵はオークの小樽。しかも30年以上、使った古樽を使用します。長命を保つ為にマロラクティック発酵(減酸発酵)は行わない。現在では手間の掛かるルミュアージュ(動瓶)はジャイロパレットで機械化するところを熟練動瓶士(ルミュアー)が行います。10年以上、保管するリザーブワインを惜しみなく使い、シャンパンに造り上げた後の瓶熟成は最低6年。ノン・ヴィンテージでもこれ以上の時間と手間暇をつぎ込みます。クリュッグにはノン・ヴィンテージはなく、マルチ・ヴィンテージだと胸を張ります。スタンダード品などはなく、全てがプレスティージュだと自他ともに認める実力派です。1996年にMHLV(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の傘下となっても家族経営は変わらず現代の生産性や効率など一切、受け付けない稀有な造り手。気が遠くなるような時間からは輝く黄金色、芳醇で力強いシャンパンが生まれます。これがクリュッグ品質。 6代目オリヴィエはクリュッグが合う和食は「天ぷら」と言い切ります。
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